認知症の予防と治療のためのレクリエーション

「サプリ缶」店長&健康アドバイザーの名畑(なばた)のぞみです。

レクリエーションという言葉を聞くと、小中学校でやった「お楽しみ会」を思い出します。授業の一環でしたが、レクリエーションの時間はワクワクしていました。その「ワクワク」は認知症の予防や治療に役に立つことがわかっていて、実際に使われているんです!

レクリエーションは何のためにやるの?

年をとるごとに足腰が衰え始めると、自分が老いてきたと感じます。でも体や皮膚は老化しても、脳は老化しないんです。使えば使うほど育つ臓器。脳の中では胎児の頃から持っている潜在能力細胞があって、80歳90歳になっても働く準備をしています。「脳は一生、成長するもの」なのです。
認知症や認知症予備軍と診断されてしまうと、徐々に記憶が薄れていって、回復する事はないと思ってないでしょうか? 脳はたくさんの細胞で成り立っています。楽しいことや体を動かすこと、興味のあることで刺激すると、脳はまた働き始めます。その刺激する手法としてレクリエーションが使われ、成果が上がっています。

レクリエーションあれこれ

回想レクリエーション

回想法はアメリカで始まった、認知症の心理療法です。認知症の高齢者への効果が注目されて日本でも実施するところが増えてきました。通所施設やグループホームなどで行われ数名で行うため、精神科医や臨床心理士が取りまとめます。

この回想法は家庭でも出来ますよ! 子供のころの遊びやお祭り、あるいは昔使っていた生活道具などの話を、ご本人にしてもらうのです。懐かしい昔を想いだし、それを語ることで脳が刺激されます。また、楽しかった過去に戻ることで、脳細胞のネットワークがつながって、思い出すことも増えてきますし、一時であれ、障害の不安や混乱から解放され、心が癒されます。
続けて行うことで認知機能が改善することや、積極性、対人コミュニケーションが増えるなどの効用があります。記憶障害が進んでいても古い過去の思い出は残っていることが多いので、中等度の認知症高齢者にも回想法は効果があります。
回想法のよいところは、認知症の高齢者が楽しんで出来ること。幼いころのことや若いころの話を聞かせてもらう機会を出来るだけ作りましょう。昔の写真や、かつて流行した曲、お手玉やおはじき、ベーゴマなど古い道具があれば、過去を思い出しやすくなります。
「このお手玉どうやって使うの?」
「あや取り教えて!」
「この写真のお洋服は手作りなの?素敵だね」などなど・・・
そんな言葉だけでも、おばあちゃんの脳は喜びます。現物がなければ、写真を集めてきて話を聞くのもいいですよ。たくさん言葉と楽しい思い出を引き出してあげてください。

<お手玉で遊んだ、遠い記憶を呼び覚ますのがいいんです>

<お手玉で遊んだ、遠い記憶を呼び覚ますのがいいんです>

音楽レクリエーション

お腹の中の子供にモーツァルトを聞かせると胎教にいいとか、植物に聞かせると綺麗な花を咲かせるとか、熟成中の黒糖焼酎に聞かせると美味しくなるとか、音楽って、いろいろなところで使われていますよね。
実は、根本的な原因が未だに不明とされているアルツハイマーに音楽が効く…と言われて、音楽療法として、施設などで行われています。「聞く音楽療法」もありますが、認知症にいいのは能動的な療法。タンバリンなどの簡単な楽器で演奏したり、曲に合わせて手拍子をとったり、カラオケで歌ったり、懐かしい唱歌を合唱したりして、体の一部を使います。
これは言葉によるコミュニケーションが難しくなった人でも参加できるのがいいところ。
音楽って不思議で、懐かしい曲を聞くと思い出がよみがえりますよね。認知症の方も、同じように音楽によって記憶が掘り起こされ、自信を回復することもできます。
また心が癒されるリラクゼーション効果もあります。食事量が増える、声をかけたときの反応が良くなる、笑顔が増えるといった効果もあります。そのほかにも、食事やつばを飲みこむ機能の回復、身体を動かす機能の回復にも効果ありと、良いことがいっぱいです。
カラオケに行くもよし、音楽サークルなどに入るもよし、家の中でこっそりと歌うのもいいですよ。好きな歌を選んで笑顔を引き出してください。

芸術レクリエーション(アートレクリエーション)

絵画や造形活動を通じて行うレクリエーションです。
絵画、心理劇、詩歌(俳句など)陶芸、ダンスなどの表現活動や創作行為をすることで脳に刺激を与えます。
これの元になった出来事は1942年のイギリス。身体疾患の回復が思わしくなく生涯に絶望したエイドリアン・ヒルという画家が、自分が画家であることを再認識し、主治医の目を盗んで制作に没頭したところ心身ともに回復したという体験が元になっています。当初は身体疾患を中心に行われていましたが、徐々に統合失調症などの精神疾患や知的障がい者へと対象を広げてきました。最近では要介護高齢者を対象にした芸術療養が広く行われています。編み物をしたりプラモデルを作って楽しむところもあります。

運動レクリエーション

運動量の多い人は、少ない人よりアルツハイマー病になりにくいというカナダのデータがあります。運動には脳の機能を維持するだけでなく、脳の働きを活性化する効果もあるのです。日常生活の中で、誰でも簡単にできるのがウォーキングです。素足で歩くと脳の血流が良くなるとか。
認知症の人は、体を動かす機会も減りがち。脳の活性化のためだけでなく、健康維持と活動能力を維持するためにも散歩はお勧めです。
家族が付き添って、話をしながら歩くと効果的です。「話す」ことと「歩く」こと、脳の中では別々の働きですから、これを一緒にする事は脳にたっぷりの刺激を与えることになります。まずは楽しく歩くことがポイントです。
風船バレーやボウリング、ピンポンなども運動レクリエーションの一つです。

その他のレクリエーション

  • 通所施設やグループホームでは、セラピードッグを呼んで触れ合ったり、近くの園児たちと交流。
  • クイズやパズル、すごろく、トランプなどのゲームで楽しむ。
    料理をみんなで作る。
  • 小動物の世話をする。
  • 庭の手入れをする。

などのレクリエーションをしている施設やグループホームもあります。

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まとめ

脳は楽しいことが大好きです。楽しいことを是非やってみてください。認知症の人が生きてきた時代や出身、大切に思っていたこと、大好きなことなどを「レクリエーション」に取り入れることで、認知症の症状が改善されます。
また、日ごろから認知症にならないようにする事は、もっと大切です。好きなことをして、たくさん笑って、体も動かして、脳に栄養を与えてください。
今のあなたは脳栄養を与えて、やさしい生活をしていますか?ずっと、あなたのパートナーである脳にしっかりと働いてもらうために、悪くなる前に栄養を与えてくださいね。
「予防に勝る治療薬はなし」です。

名畑 のぞみ

名畑 のぞみ

山形県庄内町出身、横浜在住。 病院に医療事務として勤務後、健康食品の会社に勤務。 子供のアトピーや、親の胃がん、脳梗塞などから、病気にならないには何がいいのか、どうしたらいいのかを深く追求し始める。 サプリメントアドバイザー、フードライフコーディネーターの資格を持ち健康食プロデューサーとして日々食のことを発信しています。 人は食べ物から出来ているので、体に合った良いものを食べればおのずと病気も遠ざかります。忘れがちなことを、いつものご飯から改善して家族の笑顔を守ろうと活動をしています。 ・講演 ・脳にいい簡単レシピの提案、健康料理の記事制作 ・健康料理教室の主催 ・各種イベントの企画などの活動しています。 お気軽にお声かけください。 詳しくは「名畑プロフィール」をご覧ください。

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